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とあるバーとこだまさん :: 2012/06/10(Sun)

fotologue347.jpg
2012-theater/002
みなさんこんにちは。

雨だと聞いていたのですがほどよく晴れましたね。
雲が遠くの方から空のひだみたいにつらなってその合間から射し込む
ひかりで洗濯物と布団を干しております。

先週の日曜日はライブに行ってきました。
こだま和文 from DUB STATION “ある日曜日に”
西麻布にある音楽実験室新世界。

僕は吉祥寺に住んでもう6年目なのですが、その最初の年にとある女性と一緒に
吉祥寺にあるハーモニカ横町という古びた昔の入り組んで熱気のある市場を彷彿とさせる
飲屋街をみつけました。二人はその雰囲気に気分があがり端から一軒ずつ呑んでいってみようと
いうことになりました。
一杯づつ呑んでゆき数軒目でとあるバーに入りました。
味のあるカウンター、所狭しとおかれた色とりどりの洋酒瓶と壁に貼りめぐらされた程よく
タバコと熱気で染められた映画のポスターやミュージシャンのフライヤー、エスニックで
ゆらゆらと灯りをまとうカウンターライト、天井にも裸電球に照らされたポスターやフライヤー、
カウンターのみなのでおそらく10数人くらいで一杯になるであろう店内にそぐわぬ業務用の
おおきなエアーコンディショナー、その吹き出し口の横にあるでっぱりには昔のソフトビニール
人形達が肩を寄せ合ってならび、ポスターやフライヤーと同じく表面にはじっとりとタバコのヤニが
つきうっすらと綿埃がつもっている。
私と女性はすっかりここが気に入ってしまい、私と年のほど近いご夫婦が営んでいるそのバーで
ゆるりゆるりと呑んでいると連れの女性が「ここショットガンあるよ、みんなで撃とう」ということになり
最後はショットガン(ショットグラスにテキーラをいれジンジャーエールやソーダでわり、ショットグラスの口を掌で多いウッドカウンターに叩き付けそのまま一気に飲み干す)を数発いや、正確には数は覚えていないけど発砲し泥酔。

それからほどなく僕は一人でそのバーへ通うようになった。

今まで一人で呑みにいくことはなかったのだけど、仕事を終えて一人の部屋に帰るまでの
その距離を思うとなぜか足が向き、そのバーならゆっくりとリラックスして会話を交わし
気持ちよく呑んで帰ることが出来たからだ。
吉祥寺に住みはじめてはじめて一人でのみに行ったバー。

私もだんだんと打ち解けてよりリラックスして、やはり最初のうちはなれるまで時間がかかる性格なので、
周りの会話や音楽が耳に入るようになった時にふと気がついた。

はじめてそのバーに連れの女性と行った時に鳴っていた音楽。
「この曲素敵ですね」なんて言っていた曲が流れていた。

私はマスターに
「これは誰の曲ですか」
「こだまさんていう人の曲だよ」
それがこだまさんの楽曲とのはじめての出会いでした。

もとより私はブルーハーツやライダース、ラモーンズやランシドなどのパンクやスピッツなどの
jpopを好んで効いていたのでまさにDUBははじめての音楽でした。

そのときの私の生活はまあ、ひとことでいうなれば綱渡りのような日々で
あまり友人もおらず、仕事と言えばとある会社の運転手。
一日多い時で400キロ位は走っていたと思う。
先の見えない毎日とすり切れそうな気持ちで毎日がただただ
高速で過ぎていっていた。

仕事を終えて、バーへゆきバスペールエールの生ジョッキを呑みながら
こだまさんのトランペットを聴いているとなんだかとても孤独になった。
でもそこに響いている音はただの孤独ではなく力強くひとりひとりを
暖かく迎え入れるような孤独な音だった。
バーで聴くその音は、その瞬間だけ時間を引き延ばしてゆるやかなであたたかな景色を
見せてくれた。
おそらく音楽でそういった経験をしたのもはじめてだったような気がする。

そう、あの日からもう5年が過ぎた。
僕は30歳を越え人並みの生活を多少なりとも送れるようになっていた。

しかしここ数ヶ月、いろいろなことが重なり自分の立ち位置がゆらいで
僕は迷っていた。
酔っぱらいちょっとしたいざこざがあって手を7、8針縫った。
揺らいでいた。

youtubeでこだまさんのライブ映像ばかりを見てなんとか日々を保ち
暮らしていた時に、今回のライブがあった。

ある日曜日に

チケットを予約してはじめて気がついたのだけど、
僕が生まれてはじめて自分でとったチケットだった。
33年生きてきてライブのチケットをとったことがなかった
自分にすこしびっくりしたが、思い返せどもこれがはじめての
チケットだった。

チケットとってからライブまで数日あったが、いろいろなことが
頭に浮かんでは消え、浮かんでは消えていた。

ライブ当日なぜか僕は緊張していた。
もしなにも僕の中に響かなかったら?
そういう言い方は押し付けがましくて変に聞こえるかもしれないけども
僕は求めていた。
なにか軸のようなもの、背骨のようなものを。

ライブ会場は満員だった。
僕はバーカウンターでジンリッキーを注文し
最前列の右袖でステージの始まりをまった。
高鳴る気持ちを押さえる為にタバコを吸い酒を飲んだ。

薄くらいステージにこだまさんが現れたとき
僕の気にしていたことは一瞬でとおくとおくのほうへ消え去り
僕の頬には涙が伝っていた。

音が響きはじめるとすべては混ざっていた。
良いも悪いも、なにもかも。

演奏は二部構成になっていて一部はライブで
二部はとても実験的なライブであり舞台であり
語りであった、そこにはこだまさんでないと
作れないであろう親密なのだけど厳しさの含まれた
特別な日曜日がひろがっていた。

僕は答えを求めていた。

でもそれは違っていたことに気がついた。

ある日曜日に、ということ。
なんでもない日々ということ。

そんな日々をこぼさないように暮らしてゆくこと。
つなげてゆくこと。

それがある日曜日でありいつもの日々であるということ。

焦らず、走らず、しっかりと刻んでゆく。

ライブを終えて足早に吉祥寺にもどりあのバーへ。
そこでまたお酒を飲みながら流れてくるこだまさんの楽曲を聴きながら
マスターとゆっくりと時間をすごした。

ふと、カウンターに並んだ洋酒瓶の隙間から5年前の自分が見えた気がした。






  1. photograph & diary
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