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露草という唄を聴いて :: 2012/07/13(Fri)


露草 / 矢野絢子


小さなリュックをもって梅雨の晴れ間に僕は散歩に出た。

ちらちらと雲間から覗いていた遠慮しがちな太陽が僕らの真上から木々の梢のあたりを照らしはじめた頃
ちいさなちいさなかわいらしい唄が漂ってきた。
いまを確かに生きようとする草花の匂いや濃密な今という空気と混ざけりあって、その唄は聞こえてきた。

歌声はやわらかいのだけど雨上がり特有の透き通ってどこまでも見渡せそうな空気レンズのようで
僕を見透かしさらにそのさきの世界に向けられているようで、すこしばかり心臓の左端がちりちりと
痛んだ。

おそらく僕が嘘をついていきているからなんだろう。

素直に温度ある人を僕は大好きだけど、そうはなれない僕が唄によって現れてくる。
そういう人になりたい、でもそうなれない。

時として僕は怒りや欲望にまかせ我がもの顔で世界を、ちいさなちいさな僕の周りにある世界を
握りしめようとしている。

僕自身少しはわかっている、そうすることによって僕の世界を
僕のものとして成り立たせようとしていること。
エゴなんて言葉でいうまでもなく日々そんなことで僕は僕自身を動かしている。

雨上がりの公園わきのぬれたベンチをハンカチでぬぐい
腰掛けてゆっくりとゆっくりと僕は唄を聴いていた。

目の前には雨上がりを待ちわびた子供を連れ長靴をはいて子供の片方だけ補助輪のとれた自転車を押す親子が
公園の池から反射する光を浴びながらきらきらと輝きながらすぎてゆく、
スターバックスのテイクアウトコーヒーを持ちながら遠く先をわりと難しげな顔でながめる大学生、
いせやの焼き鳥袋をさげていろいろな感情を抱えつつ濡れていない椅子をさがしあるくカップル。

いつもの日々だけど、そんないつもの日々はほんの僅かななにかで遠く彼方の記憶へと変わってゆく。

やさしければやさしいほど、あたたかければあかかたかいほど素敵な景色は遠くに流れてゆく。

そんな景色の裏側にはいつもいつもいろいろな欲望が渦巻き素敵を台無しにしている。
そんな世界の中でいろいろな欲望はつきないけれど帰ってゆく場所はどこなのかをやわらかく示してくれる唄。


そして、そんな僕でも進めと、歩けと、前を見ろという。
ちいさな景色を、ちいさな日常をきれいだ、素敵だと言えてるうちは歩けという。


その裏側にあることを忘れるなという。

繰り返し繰り返し繰り返し...


大切なことを僕はバカなので全部は学べないけど、
すこしだけこの唄によって学んだ気がします。



素敵な唄に出会えて感謝。























  1. photograph & diary
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